今回のおすすめの1冊『科学的な適職』は、科学的な研究データに基づいて「最高の職業の選び方」をおしえてくれる本です。
著者は、10万本以上の科学論文を読んだサイエンスライターにして、大人気ブログ「パレオな男」を運営する鈴木祐さん。
私も「パレオな男」の長年のファンの一人で、日々、最新の研究結果に「そうだったのか!」とうなっています。
巻末には大量の参考文献が記載されており、信頼性は抜群です!
『科学的な適職』をおすすめする人
「今の仕事がつらい」「なんだかやりがいを感じなくなった」
「今の仕事を続けてよいのか不安」「もっと自分に合った仕事がある気がする」
「もっと幸せな働き方がしたい」
そんな悩みや不安のある人には、必読の一冊です。
科学的なデータを踏まえて、一人一人の価値観やライフスタイルに合わせた「適職の選び方」を示してくれます。
具体的には、正しい職業選択のための手順を5つのステップに分けて紹介しています。
ステップ1 幻想から目覚める
ステップ2 未来を広げる
ステップ3 悪を取り除く
ステップ4 歪みに気づく
ステップ5 やりがいを再構築する
『科学的な適職』を読めば、やるべきことが明確になり、「迷いが晴れる」という感覚を味わえると思います。
『科学的な適職』のポイント3選
可能なら一冊まるごと紹介したいくらい有益な内容ばかりですが、ここでは3つのポイントに絞って『科学的な適職』の内容を簡単に紹介します。
「好き」や「給料」で仕事を選んではいけない!?
本書では、「好きを仕事にする」「給料の多さで選ぶ」「適正に合った仕事を求める」といったアドバイスを「仕事選びの7つの大罪」と呼び、大間違いであると述べられています。
・好きを仕事にする。
・給料の多さで選ぶ。
・業界や職種で選ぶ。
・仕事の楽さで選ぶ。
・性格テストで選ぶ。
・直感で選ぶ。
・適正に合った仕事を求める。
「え!?それってダメなの?」と思ったのは、私だけではないはず。
100人いたら、200~300人くらいは、上記を仕事選びの基準にしたことがあるのではないでしょうか…。
しかし、よく言われる「好きを仕事にする」については、好きかどうかだけで仕事を選んでも、最終的な幸福感は変わらないと指摘されています。
多くの職業研究によれば、自分の好きなことを仕事にしようがしまいが最終的な幸福感は変わらないからです。
「科学的な適職」鈴木 祐
「幻想から目覚める」の章では、この他の6つの大罪についても、なぜそれではダメなのかが、科学的根拠を基に解説されています。
この部分を読むだけでも、目からウロコが落ちまくります。
仕事人生を幸せにする7つの要素とは?
「7つの大罪」が間違っていることは、わかった。
では、どうやって仕事選びをすればよいのか?
その答えが「未来を広げる」の章で紹介されている「仕事の幸福度を決める『7つの徳目』」です。
1 自由:その仕事に裁量権はある?
2 達成:前に進んでいる感覚は得られるか?
3 焦点:自分のモチベーションタイプに合っているか?
4 明確:なすべきことやビジョン、評価軸はハッキリしているか?
5 多様:作業の内容にバリエーションはあるか?
6 仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか?
7 貢献:どれだけ世の中の役に立つか?
この7つの中でも、私が首がもげるほど頷き、共感したのが「自由」です。
皆さんも「やれ」と言われた瞬間、夏休みの宿題くらいやる気がなくなったという経験があるのではないでしょうか?
自由に関する解説では、「不自由はタバコ以上に健康に影響がある」「男女によって幸福になれる自由が違う」といった研究も紹介されており、自由は仕事の幸せを左右する非常に重要な要素であると述べられています。
また、これら7つの徳目を職業選択に取り入れるための方法として、「イニシャルリスト」「徳目アテンション」「徳目クエスチョン」「8つの質問」が紹介されています。
ただの知識で終わらないように、実践するための具体的な手法まで解説してくれているのが、さすがですね。
私もやってみましたが、残念ながら「教員」は完全に圏外となりました…。
今の仕事で幸福になるのは難しい場合は、どうすればいいの!?
そんな方は、次に紹介する「ジョブクラフティング」を試してみてください!
科学的に仕事の満足度を高める方法「ジョブクラフティング」
最後に紹介するのが、ステップ5「やりがいを再構築する」で紹介されている「ジョブクラフティング」というという技法です。
私自身も当てはまりますが、
「すぐに転職は考えていない」「今の仕事では満足度を高めたい」
といった方にぜひ試してほしい技法です。
個人的にはこのジョブクラフティングのやり方が知りたい、というのが本書を購入した一番の動機です。
ジョブクラフティングとは、自分の仕事を価値観に基づいてとらえ直す手法であり、仕事のやりがいを大きく高めるという効果検証もされています。
本書では、現状把握にあたる「ビフォー・スケッチ」から始まり、仕事に割くエネルギーを再考したり、仕事へのイメージや視点をとらえ直したり、仕事に関わる人間関係を見直したりしながら、具体的な「アクション・プラン」を作成するまでの流れを解説しています。
1 ビフォー・スケッチ
2 ビフォー・スケッチの省察
3 動機と嗜好のピックアップ
4 課題クラフティング
5 関係性クラフティング
6 認知クラフティング
7 アクション・プラン
私自身も取り組んでみましたが、それなりの時間と労力が必要な作業です。
ただ、個人の感想ではありますが、継続すれば労力をかけた分だけの効果がある実感しています。
今の自分に適用でき、繰り返し使用できる、しかも科学的な根拠のある幸福度アップの方法が手に入ると思えば、この章だけでも本書を手に取る価値はあると思います。
おすすめ本『科学的な適職』のまとめ
ここまで、『科学的な適職』をおすすめする人と、本書を読んで大切だと感じた3つのポイントを紹介してきました。
・今の仕事がつらい
・なんだかやりがいを感じなくなった
・今の仕事を続けてよいのか不安
・もっと自分に合った仕事がある気がする
・もっと幸せな働き方がしたい
・「仕事選びにおける7つの大罪」を避けることができる
・「仕事の幸福度を決める7つの徳目」から仕事を検討できる
・科学的に仕事の満足度を高める方法「ジョブクラフティング」
「好き」や「給料」で仕事を選んではいけないという衝撃的なデータを提示し、「科学的に正しい仕事の選び方」や「仕事の満足度を高める方法」を提示してくれる良書です。
人生100年時代にキャリアについて考えることは必須です。
そういう意味で、大きな選択をすることが多い30代必読の書だと思います。
ぜひ手に取って様々なテクニックを実践してみてください。
今日も「好い日」でありますように。